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vCard Editor2

vCard Editor2とvCard Editorとの違い

vCard Editor2はmacOS 10.13から利用できる機能を利用してvCard Editorを書き換えたものです。

最新のmacOSとXcodeを使って作成しています。macOS 10.13以降で動作します。

vCard Editor2とvCard Editorはほぼ同じ機能を搭載していますが、書き換えの際に、macOSの新しい機能への対応や、コードの最適化などを行なっています。連絡先の読み込みが高速になっていたり、検索と置換において"Replace All"が行えるなど、新しい機能も搭載されています。

vCard EditorはmacOS 10.9で動作するために、macOS 12.7.4 + Xcode 13.4を使って作成しています。サポートmacOSは10.9から12.3となります。Xcode support

また、連絡先を読み書きするためにAddressBook.frameworkと呼ばれるシステム機能を利用しています。Appleは10.11以降ではAddressBook.frameworkの変わりにContacts.frameworkを利用するようにアナウンスしています。近い将来、macOSでAddressBook.frameworkが利用できなくなることが予想されます。古いmacOSを使っている、などの理由がないのであれば、vCard Editor2を選択することをお勧めします。


vCard Editor2の利用方法

Macの連絡先をvCardファイルへバックアップして編集する


連絡先の詳細情報表示

toolbarにあるサイドバーボタンの右側をクリックする、もしくは操作メニューの連絡先から「詳細情報を開く」を選択すると、選択されている連絡先の詳細情報がウインドウの右側に表示されます。

Editボタンの状態により表示方法が変化します。

状態が"Edit"の場合には、従来通り情報がテーブル表示され、項目の編集が行えます。

状態が”Lock"の場合には、項目毎に分割されたテキストで表示され、編集が行えません。

ウインドウの幅に応じて情報が2段に表示されます。


編集時のキー操作

vCard Editorが表示するデータには二つの種類があります。ひとつはラベルのあるデータで、電話番号の"Home: 0120-3456-7890"のようにラベルと文字列が対になったデータです。もうひとつは会社名"Apple Inc"のように文字列だけからなるデータです。

住所はラベル付きデータであり、ラベルと住所をペアにして、任意の数を登録できることができます。このため、データの追加・削除を行うための専用の編集パネルが表示されます。

電話番号やメールアドレスはセルが直接編集できますが、住所とインスタントメッセージとソーシャルネットワークの3つは文字列が複数の項目からなるため、セルが直接の編集ができません。

なお、すべての変更は、一括変更も含め、編集メニューにある「取り消す」と「やり直す」で変更を取り消したり、やり直しすことができます。


住所の編集パネル

住所の編集はアドレス編集パネルを通して行います。住所のセルをダブルクリックすると下図のような編集パネルが表示されますので、それぞれの項目を入力します。

住所のセルをコマンドキーを押しながらダブルクリックすると下図のようなパネルが表示されます。テーブルのセルをダブルクリックすればセルが入力モードになり、文字列が変更できます。

両方のパネルにあるCoutry Codeは住所のフォーマットを決定します。"システムディフォルト"が選択されている場合にはシステムローケールのCountry Codeの値が参照されます。

なお、Country Codeと入力フィールドにある「国」の名称は一致している必要はありません。「国」の値は、単なる文字列として扱われます。


検索と置換

Find barによる検索と置換

編集メニューにある「検索」を選択するか、Toolbarにある「Find」ボタンをクリックします。 下図のようなFindBarが表示されますので、検索したい文字列をタイプします。

ウインドウに表示されているデータの中で見つかった文字列が灰色とオレンジ色にハイライトされます。 "〈"または"〉"をクリックするとオレンジのハイライトが移動します。
FindBarの"置換"フィールドに文字を入力し、置換ボタンをクリックするとオレンジ色にハイライトされている文字列が置換されます。 Allボタンをクリックすれば、テーブルに表示されているすべての文字列が入力した文字列に置き換わります。ただし、例えば、Companyカラムが表示されていない場合、Companyは置換対象となりません。

なお、間違えて置換してしまった場合でも、編集メニューの「取り消し」により置換をやり直すことができます。

住所の置換

住所の検索は郵便番号、県、市などの項目毎に行われます。 例えば、都道府県が"東京都"で市町村が"西新宿"の場合、"東京都西新宿"では検索できません。その代りに、一致した文字列、東京都や西新宿の置換が行えます。

誕生日と日付

誕生日と日付カラムの文字列も検索することができますが、置換はできません。 内部のデータ形式が文字列でないのが理由ですが、置換文字列を判断して日付に変換する方法を検討中です。


検索パネルによる検索と置換

編集メニューにある「検索パネルを表示」を選択するか、ショートカットのCmd+Shift+Fをタイプすると、下図のような検索パネルが表示されます。

このパネルではデータのタイプやラベルで選択された項目を絞り込んで検索を行えます。一致した項目がその名称とともにテーブルにリストされます。

「置換」ボタンをクリックすれば、オレンジ色ハイライトされている文字がReplaceフィールドにある文字列と置き換えられます。

「一括置換」ボタンをクリックすると、オレンジとブルーでハイライトされた文字列が置換されます。
これらの操作は編集メニューにある「取り消し」によりやり直すことができます。


パネルの右上にある「Edit/Lock」ボタンをクリックして、編集モード(ボタン名がLockになります)にすると、「値」カラムのセルをダブルクリックして、そのセルの値を直接書き換えることもできます。この操作も「取り消し」ができます。

なお、テーブルカラムのヘッダーをクリックするとそれぞれの項目でテーブルがソートできます。

Regexによる検索

検索パネルにある「検索モード」メニューからRegexを選択すると、Regex(正規表現)を使った条件検索が行えます。

正規表現についてはこちらのWiKiの説明をご覧ください。下図の例では、"^.[op]"により、先頭から2文字目がoまたはpとなっている文字列を検索します。


ラベルおよび値の一括変換

電話、メールアドレスやノートカラムなどの文字列が一括変更ができます。

ウインドウのeditボタンをクリックして編集モードに切り替えた後で、複数行を選択し、例えば電話のセルのテキストをダブルクリックします。

一括変換するかどうかのアラートが表示されますので、OKをクリックすれば選択されている行の電話カラムのテキストがすべて同じものに変換されます。

会社名やノートカラムなどの値も一括変更ができます。

セルのコンテキストメニュー(Controlキーを押しながらセルのテキストをクリックすると表示されます)から一括変換することもできます。

上と同じように複数の行を選択してからコンテキストメニューを表示して、変更操作を行うことができます。
変更は「取り消し」できますので、試して便利にお使いください。


グループへのメンバーの追加と削除

グループへのメンバーの追加はグループパネルを開いて行います。

グループパネルを開いたら、editボタンをクリックしてウインドウを編集モードにします。
グループに追加したい連絡先を選択してグループパネルのグループ名にDrag&Dropします。

グループからメンバーを削除する場合には、グループ名をクリックして、その連絡先をリストし、削除したい連絡先を選択して連絡先ボタンにある削除メニューをクリックします。
選択した連絡先がグループから削除されますが、"All Contact"からは削除されません。


連絡先のイメージの編集

名前カラムの名称にはイメージがアイコン表示されます。このアイコンは連絡先の詳細を開いて変更することができます。

イメージをセットするには、ファインダーでイメージファイルを選択して、画面のアイコンにDrag&Dropします。

削除するにはアイコンをクリックしてControl-Clickによりコンテキストメニューを表示すると表示される「削除」を実行します。


vCard formatのVersion 2.x

vCard Editor2はvCard verion2.1および3.0のファイルを読むことができます。 vCard formatは3.0でUTF-8でテキスト・エンコードされる仕様となりましたが、それ以前の2.xではエンコードは決まっていません。
Windowsや古い携帯電話用アプリなどで作成されたvCardファイルでは、テキスト・エンコーディングがShift-JISになっていることがあります。


テキストエンコーディング

読み込む際にテキストエンコーディングが一致しないと日本語が文字化けします。
ファイルを開くを選択したときに開くパネルに「オプション」ボタンがあります。それをクリックすることでエンコーディングが選択できます。

Windowsや古い携帯電話用アプリなどで作成されたvCardファイルでは、テキスト・エンコーディングがShift-JISになっていることがあります。その場合には「日本語(Shift-JIS)」を選択して読み込んでみてください。

なお、encodingメニューに「日本語(Shift-JIS)」が表示されていない場合、"Customize Encoding List..."からエンコーディングの一覧を表示してメニューに追加できます。
また、テキストエンコーディングメニューにある"Automatic"は、ファイルのリソース部分に書かれたエンコーディング情報を利用します。Windowsなど他のシステムからコピーされたファイルにはこの情報がありませんので、UTF-8と判定されます。


CSVファイルの読み込み

vCard Editor2はCSVファイルの読み込みと書き出しが行えます。

読み込みは通常vCardファイルを開くときと同じく、ファイルメニューの「開く」から拡張子csvを持つファイルを選択します。

vCardファイルを開いたときと同じようにウインドウに内容が表示されますが編集はできません。別のvCardファイルのウインドウへ連絡先をDrag&Dropできます。

CSVファイルは直接編集はできません。編集を行うとシステムのAuto Saving機能が働き始めてしまい、キャンセルできないためです。ご容赦ください。従来と同じく、"別名での保存"によるvCardへの変換や、vCardのドキュメントへのDrag&Dropが行えます。


CSVの各行は項目が次のように並んでいることを想定していますが、1行目に項目名をリストすることで項目を分類することが可能です。サンプルファイルを参考にCSVファイルの先頭に項目名のリストを追加してみてください。

Name,Home Phone,Work Phone,Other Phone,Home Email,Work Email,Other Email,Home ZIP,Home State,Home City,Home Street,Work ZIP,Work State,Work City,Work Street,Other ZIP,Other State,Other City,Other Street,Birthday,Title,Company,Department,Job Title,First Name,Last Name,Nickname,Note,Facebook,LinkedIn,Flickr,SinaWeibo

download sample csv サンプルファイル

CSVの読み込み時はファイルの1行目にあるヘッダーからデータのタイプを判定して連絡先に変換します。読み込みに失敗する場合には、サンプルデータを参考にデータに1行目を追加してください。

Sample.csv

テキストエンコーディング

読み込み時にはテキスト・エンコーディングが指定できます。ファイルを選択する際に表示されるパネルの下部にあるオプションボタンからEncodingメニューを表示し、テキスト・エンコードを選択してください。
Windowsで作成されたvCard/CSVファイルはテキスト・エンコーディングがShift-JISになっていることがあります。その場合にはendocingメニューのAutomaticをJapanese(Shift-JIS)に変更して読み込んでください。 なお、encodingメニューに「日本語(Shift-JIS)」が表示されていない場合、"Customize Encoding List..."からエンコーディングの一覧を表示してメニューに追加できます。


CSVファイルへの書き出し

連絡先をCSVファイルへ書き出すには、ファイルメニューから「CSVファイルへ書き出す」を選択します。 ウインドウで連絡先が選択されていると有効になり、選択された連絡先がファイルダイアログでセットしたファイルに書き出されます。

CSVファイルで書き出す場合、ファイルの先頭行に項目を説明する行が追加されます。 従って、連絡先の上に示したkeywordに一致した項目のみが書き出されます。 またテキストエンコーディングはUTF-8となります。
特定の項目を取り出したいときには編集メニューにある「CSV形式でコピー」をご利用ください。


連絡先の詳細ビューの行を並び替える

連絡先の詳細ビューはドラッグ&ドロップを使って、行の並びが変更できます。

Typeカラムのセルでマウスをクリックし、クリックしたままマウスを移動するとドラッグイメージが表示されます。そのまま、移動したい行まで移動してクリックを解除すると、選択した行が移動します。


カスタム項目の登録

vCard Editor2 3.3.0から、連絡先に任意の情報(カスタム項目)を登録することができます。連絡先にお好みの名前やラベルを付けた情報を表示できます。

カスタム項目の登録は、項目メニューの「カスタム項目リストを表示する」選択することで開くパネルから行います。 その際に、名前とタイプを指定します。タイプには文字列タイプとラベル付きタイプの2種類があり、文字列タイプは、値が文字列となります。ラベル付きタイプは、電話番号やメールのようにラベルをつけた文字列からなります。登録したいデータによりどちらかのタイプを選ぶことになります。

カスタム項目を登録すると、その名前が項目メニューにリストされ、同時にカラムに表示されます。値を入力するには、会社名や電話番号を入力するときと同じようにセルをダブルクリックしてテキストフィールドに直接値を入力する、もしくは表示されるパネルからラベルと値を入力します。登録したカスタム項目は、従来の項目と同じようにソートや検索が行えます。

注意事項:登録したカスタム項目はvCardのカスタムフォーマットを利用してvCardファイルの中に保存されます。他のvCardアプリケーションでは表示されません。